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カルトのマインドコントロール〜メンバーの心理と行動

 

大切な家族や友人が変わってしまった!

 

カルトに入信すると、その人の言動と行動は大きく変化して、まるで人格が変わってしまったように感じられてしまいます。

 

このような変化に家族や友人でも驚いてしまい、時には怖さを感じてしまう方もいるかもしれません。

 

「どのように彼(彼女)に接していけばいいのか」がわからなくなってしまっている事もありますね。

 

このページではそのような方たちのために、「カルトメンバーの心理」について解説していきます。

 

カルトメンバーの彼(彼女)は何を思い、何を考えているのか。

 

脱会説得に取り組む前に検討しておきましょう。

 

カルトからの救出方法についてはカルトメンバーへの脱会説得の手法をご覧になってください。

 

カルトメンバーの特徴

 

多くのカルトメンバーに共通する特徴は次のようなものではないでしょうか?

 

1、排他的で独善的な思考をする。

 

・真理にめざめ、正しい行動をしているのは自分たちのグループだけと思っている。

 

・伝統宗教や他のカルト組織の人間、一般社会の人々は倫理的に堕落し、救われない存在だと考えている。

 

・白か黒か、正義か悪か、といった二極論的な発想をし、曖昧だったりグレーな判断をしない。

 

・自分のグループに対する批判からは無意識のうちに目をそらす癖がついている。

 

××の陰謀で自分たちが弾圧されているなどと自己弁護したりもます。

 

2、教義に基づいて日常生活を送る。

 

・お題目や念仏、お祈りを唱える、瞑想をするなどカルト組織内でのの習慣を欠かさない。

 

・カルトの教学に従って、子どもの日常生活、学校での生活におおきな制約を設けたりする。

 

テレビアニメを見ること、誕生日を祝うこと、学校で武道を習うこと、恋愛すること、お菓子を食べること(極端な栄養制限)など

 

休日には団体の集会に出席させ、自由な時間を与えないケースもあります。

 

・教団から求められれば、献金やお布施を欠かさない。数百万単位の大きな金額でもためらわずに献金してしまう。

 

お金のない時は金融機関で借金をして献金するケースもあります

 

・家族や友人、親戚や会社の同僚などを片っ端から勧誘する。

 

高校生が学業を放棄して、終日深夜まで勧誘に奔走するケースもあります。

 

「宗教の勧誘」であることを伏せて、「久しぶりにランチしよう」などと勧誘ターゲットを騙して呼び出したり、料理や手芸の教室を擬態して勧誘するケースが多いです。

 

勧誘される側からすれば、「宗教の勧誘」であることを知らされず呼び出されるわけだから、カルトメンバーに対して大きな不信感を持ってしまいます。

 

このため、職場や学校から浮き上がり、今まで仲の良かった友人までも失っていきます。

 

・「奉仕」や「修行」などと称し、カルト組織内での長時間の無給の労働に従事してしまう。

 

カルトが経営する飲食店や工場で、無給で労働に従事させられるケースや、「珍味の販売」など家庭への訪問販売をさせられたり、街頭でインチキ募金を集めさせられたりするケースが報告されています。

 

3、教義に基づいて、社会や身の回りの出来事を考える。

 

・今まで自分が家庭や職場で苦労してきたのは、カルト組織に属していなかったからだと思い込む。

 

・アトピーや肩こり、便秘などの心身の不調が改善したことを、「カルトの教義を実践したおかげだ」と考えたりする。

 

・逆に家族や友人がケガをしたり、病気になったりすると、「自分の属するカルト組織に反対した報いだ。」と考えたりすることがあります。

 

地震や台風、火山の噴火などの自然災害も、「教団の神の怒りだ」などと思い込む。

 

特殊な言葉を使って会話する。

 

一般の人には意味のわからない特殊な言葉を使い、話をする。

たとえばかってのオウムであれば、サマナ、カルマ、アストラル、タントラ、ヴァジラヤーナなど

グループの中でしか意味が通じない会話を続けることは、メンバー同士の結束を強め、選民意識を増長させます。

 

 

いかがでしたでしょうか?

 

カルトメンバーの言動には理解しがたいものが多くあります。

 

彼らの心を理解するには、彼らが感じているであろう「カルトの魅力」と「植え付けられた恐怖感」の二つから考えていくと、わかりやすいかもしれません。

 

 

カルトの魅力

 

マインドコントロールとは人間をロボット化しラジコン操縦するような技術ではありません。

 

本人があらかじめ持っていた「欲求」とか「目標」といったものを増幅し、脚色し、コントロールしていくものです。

 

だからこそなかなか抜けられないのです。

 

カルトの世界は少なくとも入信したての時は、非常に甘美で、魅力的なものであることが指摘されています。

 

組織に魅力を感じ、精力的に活動しているときは本人は非常に大きなやりがいを感じているものです。

 

「カルトの魅力をリストアップしてみますと、それらの多くは私たちが必要としているものですが、手に入らないものばかりなのです。」
(スタンフォード大学名誉教授F・ジンバルドー)

 

カルトに植え付けられた恐怖感

 

しかし、かれらが感じているものは充実感だけではありません。

 

カルト組織の充実感と表裏一体のものとして、「カルトに植え付けられた恐怖心」が心の奥底には潜んでいます。

 

ほぼすべての組織のメンバーに共通するのですが、メンバーには恐怖心が刷り込まれているのです。たとえば「途中で組織をやめたら無間地獄に堕ちる」とか「家族が事故に遭う、死ぬ」とかいった教えです。

 

普段は使命感や充実感で満たされているのだけれども、何かの拍子に組織に疑問を持ったり、辞めたくなったりしたときに「恐怖心」が表に出てきて歯止めをかけるという仕組みになっているのです。

 

 

次に、彼らが感じているであろうカルトの魅力について少し詳しく触れていきます。

 

そのつぎに、カルトの植え付けた恐怖心について解説していきましょう。

 

カルトの魅力

 

まず、カルトの魅力についてから解説します。

 

(1)「優れた真理を知っている」という優越感を感じている。

 

自分たちの組織や教学がこの世で唯一価値があり正しいものであると思っています。

 

それゆえ、カルトメンバーは自分自身は世間一般の人(組織外の人)よりも人格的にも能力的にも優れた存在だと考えています。

 

彼らにとって、世間一般の人(組織外の人)は「影響をうけてはいけない人」だったり、「救済してやらなければならない人」であったりするのです

 

 

元カルトメンバーの証言〜Aさん

 

人間って、人が知らない特別なものを知っているって気持ちがいいものじゃないですか。まわりはみな地獄行きの人生を送っているのに、自分たちは仏の慈悲に救われてね。本当の幸福に至る道を知っているんだ!みたいな高揚感があるんですよね。世の中の人はあくせく働いてるけれど、僕らは永遠に変わらない幸せを求めている。あんなのとは違うぜ!って思っていました。

 

(2)自分を変えることができる。

 

・自分自身に自信がもてた。強くなれた。

 

・自分の意見をはっきり主張できるようになった。

 

・罪悪感や劣等感がなくなった。

 

・不運の連続だった人生を変えられる。

 

カルトメンバーの中には入信前、対人関係に自信を持てずに生きづらさを感じていたり、学業や仕事などの目標を達成できず、挫折感を感じていた人たちもいます。

 

また、勧誘された時に、過去のあやまちや失敗などを告白させられ、罪悪感やコンプレックスを過度に強調されることがあります。

 

こうした「罪悪感」や「コンプレックス」を克服できると説くのがカルトなのです。

 

実際に勧誘活動に熱心に取り組んでいたりすると、自然に人に対しての接し方がうまくなったり、人前で堂々と話ができるようになることがあります。

 

実際に勧誘がうまくいった時の成功体験の積み重ねは、カルト入信前までは対人関係に苦手意識を持っていたカルトメンバーにとって自信となりえます。

 

こうした成功体験がカルトの教学にリアリティを持たしている部分もあるのです。

 

元カルトメンバーの証言

 

Bさん

 

入信したときには本当に自分が変わりたいって思っていて、入ったことで実際に変われた部分がありました。頑張っている自分を認められるようになってわりと自分を好きになれたんです。入る前は何もせずどうせこんなもんだって投げやりっていうかマイナス思考でしたけど、活動を通して頑張れば自分でもできることもあるんだっていうふうに思えるようになりました。

 

Cさん

 

毎日初対面の人の自宅を訪問して布教していましたから、不審者扱いされたり気難しいおじさんに怒鳴られたりとか散々でしたけど、そういう経験でも積み重ねていくとだんだん慣れてくるものです。そういう経験でも積み重ねていくとだんだん慣れてくるものです。そういう経験を通して、今は初体面の人と出会ってももう物怖じしなくなりましたね。

 

(3)組織内の活動や学習にやりがいや高揚感がある。

 

・自分の人生に目標を持つことができた。

 

・組織には熱気があり、活動に張り合いがある。

 

・社会正義や理想社会の実現のために闘っている。

 

仕事や学業を続ける中で、「やりがい」や「面白さ」を見出すことができなかったり、「目標」を見失っているときなど、カルトの説く「理想社会」であるとか「人類の救済」などのユートピア幻想が非常に魅力的に見えることがあります。

 

ユートピア建設のための勧誘活動や資金集めにはチームワークが要求される場面もあり、こうした活動を通づけるなかでのカルトメンバー間の連帯感や友情を深めていったりします。

 

こうした日々は、精神的にも肉体的にも辛いものですが、同時に充実感を感じるものなのです

 

 

(4)自分のこと愛してくれる。自分の居場所がある。

 

・自分を承認してくれる組織の仲間と先輩がいる。

 

・カルト組織の辛い活動も支え合い、助け合う仲間がいる。

 

・共に活動している仲間に対して同志として友情を感じる。

 

学校や職場の中で孤立感を感じていたり、家庭内で配偶者との関係性に悩みを持っていたりした場合、カルト組織内の連帯感は非常に大きな魅力となりえます。

 

人は誰でも「愛されていたい」とか「大切にされたい」という欲求をもっており、その欲求をカルト組織が満たしている状態になっているのです。

 

元カルトメンバーの証言

 

Dさん

 

なんか熱いっていうか、そういうのがあるんです。今までの遊びとは違う。高校生はあんまりそういうのがないんです。仲間意識があって、共通の目標である布教にまい進する。皆いい人なんですよ。自分の話も聞いてくれて。

 

Eさん

 

そこにいる人たちとは一緒にいると楽しいし、みんな一生懸命で、真面目だし健全なんです。女遊びもしていないし。だから一緒にいると成長できると思いました。やっぱり世の中の人は刹那的というか、物質的というか、何か大事なものが抜けているな、と思っていましたね。愛が足りないと思っていました。自分たちの世界には愛があると思っていました。

 

カルト組織の活動や教学に矛盾を感じ始めたとしても、「組織の仲間を裏切れない」とか「自分の居場所を失ってしまいたくない」という気持ちが足かせとなり、脱会することができない、ということはよくあります。

 

(5)世の中の矛盾や、生死や霊界などの神秘の世界などを解明できる
 (知的好奇心を満たすことができる)

 

・人は死んだらどうなるのか、死後の世界があるのかどうかを教えてくれる。

 

・科学の世界では解明できない深い真理があることを教えてくれる。

 

・戦争や貧困など、この世の悲惨なできごとがなぜ起こるのか、悲惨なできごとを克服していく方法を教えてくれる。

 

・なぜ自分の人生が不運の連続で、何をやってもうまくいかなかったのか?その理由を教えてくれる。

 

この世における様々な悲惨なできごとー戦争や貧困、虐待や差別などーがどうしておこってくるのか、死後の世界がどうなっているのか、こうした簡単には答えられない問いに対してすべてを解明し、理解できる方法があるなどと説かれています。

 

カルトの教学はターゲットとされた人間からすれば一見理路整然としており、非常に魅力的に見えることがあるのです。

 

元カルトメンバーの証言

 

Fさん

 

最初に聞いた教えにすごく感動したんです。心が動かされるような衝撃を受けました。それは『霊』についての話で、自分には体と心だけじゃなく『霊』がいたという話でした。霊が飢えているから、きちんと神様と繋がらなければならないと言われた時に、『本当にそうだ!」と思ってすごく納得してしまいました。その時とても満たされたように感じて、もっとこの話を聞きたいと思いました。

 

(6)神秘的な体験ができる。

 

・修行中、自分が光に包まれ、至福感に包まれた。

 

・教団に入信したら、功徳があった。

 

・神様が自分に話しかけてくるのを感じた。

 

ヨガや瞑想を続けていると、人間はトランス状態に入り、いわゆる不思議な体験、「「神秘体験」を経験することがあります。

 

これは人為的に作成された催眠状態なのですが、こうした神秘体験は非常な至福感をともなうことが知られています。

 

こうした「神秘体験」はカルト組織の教学に大きなリアリティを持たせることがあります。

 

 

カルトの恐怖感

 

カルトには魅力と同時に、刷り込まれた「恐怖心」も存在します。

 

、カルトメンバーにとって刷り込まれた「恐怖感」は非常に切実なものであり、リアリティーのあるものです。

 

こうした「恐怖感」は、カルト組織に疑問を感じ、脱会したくなったときに、脱会を思いとどまらせるブレーキの役割を果たしています。

 

カルトメンバーとの対話の中で、かれらが感じているであろう「恐怖感」を理解し、配慮することは重要なテーマとなります。

 

恐怖感の類型

 

「恐怖感」にはいくつかのパターンがありますので、次に紹介します。
*「マインドコントロールからの救出」256ページから261ページまで、一部を改編し抜粋して引用)

 

(1)肉体や健康に関わる恐怖

 

・脱会すれば、苦痛の中で死ぬ。殺される。自殺する

 

・愛する人が病気で死ぬ。

 

・脱会すれば、親や子供が病気で死ぬ。事故にあう。

 

・脱会すれば将来子供を産むとき、死産になったり、異常出産で奇形児が生まれる。

 

(2)精神生活に関わる恐怖

 

・死後、無間地獄に堕ちて、永遠に苦しみ続ける。

 

・神との関係を失い、贖罪や魂が救済されるチャンスを失う。

 

・過去のカルマからの問題に取りつかれる。
(過去世で殺人を犯しており、団体から助けてもらわなければ再び殺人を犯す。)

 

・自分の魂が地獄で永遠に腐敗し続けていることを感じる。

 

・ゴキブリに一万回生まれ変わる。死後、畜生界や餓鬼道に堕ちる。

 

(3)世界が滅びる

 

・ハルマゲドンのとき、救うべき価値のない者と判断されて、死ぬ。

 

・大地震や原発事故、核戦争がおこり、そのとき死ぬ。

 

(4)その他

 

・精神科医や精神衛生の専門家に迫害される。

 

・フリーメーソンやイルナミティの謀略に巻き込まれる。

 

・カルト集団から裏切者として指弾をうけ、いままで助け合ってきたメンバーと絶縁してしまう。

 

刷り込みのテクニック

 

(1)占いや予言を利用したテクニック

 

「あなたには水子がいるでしょう?」とか、「家族の方の中に思い病気にかかったことがある人がいるでしょう?」などといった、「予知能力」をひけらかし、それを呼び水に刷り込んでいく方法。コールドリーディングというテクニックを使ったもので、当然「種も仕掛も」あります。

 

 

解説は霊能・霊視のトリック〜コールドリーディングを参考にしてください。

 

(2)期待と不安を操作し、集団での同調圧力を利用するテクニック。

 

入信すれば「功徳がある」などと称して、思い当たることを発表させる。「学校に行くのに一度も信号に引っかからなかった」とか「テレビクルーの取材をうけ、テレビに映った」などちょっとツイてることを発表させてそれを集団で「功徳」などとはやし立てる。功徳があったということは、当然罰があるということで、罰の存在も徐々にリアリティを持ち始める。

 

解説は宗教辞めたら地獄に堕ちる?!〜功徳と罰を参考にしてください。

 

(3)暗闇に閉じ込めたり睡眠時間をはく奪したりして、トランス状態に誘導し、死や地獄のイメージを刷り込む。

  *何時間も瞑想させたり、祈祷させたり、罵声を浴びせたりする方法もある。

 

 

事例  オウム真理教の恐怖感の刷り込み

 

まず、窓がない小部屋に入れられる。明かりは消され、真っ暗な部屋でビデオを見せられる。
そのビデオは人が死ぬシーンをかき集めたビデオ。交通事故や爆発事故の現場や映画のシーンから人が死ぬ場面だけをつなぎあわせたもの。その映画を見ながら、教祖の声が「人は死ぬ。必ず死ぬ。絶対死ぬ。死は避けられない」という言葉をずーっと聞かされる。

 

ビデオはもう一本あった。そのビデオのスピーカーからは地獄の恐ろしい様相が語られる。
地獄に堕ちた人が『お腹が減った』と地獄の番人にすがると、番人に口をこじ開けられて、顎の骨が折れて口の中が血だらけになる。そこに焼けた鉄を注がれる。体は焼け焦げて、それでも死ねない」こうしたビデオを5時間以上見せられる。

 

そのあとにまた別の小部屋に連れ込まれる。ここも真っ暗の部屋。ここではゴォー、ヒューと風の吹きすさぶような気味の悪い音がして、女の人の悲鳴が遠くに聞こえる。これは演劇などで使われる効果音とはわかっているのだが、我慢ができないほど恐ろしいものだ。

 

そこにドン、ドンと空気の振動を伴うすさまじい音がする。すぐ近くで太鼓を打ち鳴らしているのだ。

 

お前はこういうことをしてきただろう。ああいう悪行を積んできただろう。と責め立てながら、聞いてくるたびに太鼓をドンとならす。こうした責め苦を重ねながら、出家することを強要する。
「オウム真理教」追跡2200日 江川紹子 文藝春秋より、

 

恐怖感の克服

 

いくつかのポイントがあります。

 

@まず、カルトによって植え付けられた恐怖症は人為的に作成されたイメージであることを理解してください。
(なんとなくしっくりとこなくとも、理屈では理解する)

 

Aそのうえで、自分がメンバーだったカルト集団の「恐怖症刷り込みのテクニック」について再検討します。

 

B次に自分自身が怖れていること(怖れている感情に触れてみて、それを乗り越えることを覚えます。

 

詳しくはカルト体験からの心身の回復を参考にしてください。

 

家族に対する感情

 

マインドコントロールにかかっているからといって、彼らが肉親への愛情を失くしてしまうわけではありません。

 

かれらにとって、両親や兄弟はやはり大切な存在です。

 

ただし、家族に対しての見方や考え方にバイアスをかけられていることはやはり否定できません。

 

ここではいくつかのバイアスについて解説していきます。

 

 

(1)家族に対して優越感を持っている。

 

カルトメンバーは自分たちの組織や教学のみが唯一正しいものだと思っています。

 

家族に対しても、「真理を知らない人」とか「目覚めていない人」などと、軽んじた目で見ています。

 

彼らからすれば、親や兄弟は「自分たちが救済してやるべき存在」であり、「真理に導いてやらねばならない人」たちです。

 

こうした彼らの思い上がりが家族に対して不遜な態度をとらせるのです。

 

このような心理状態にあるときは、『カルトに入ることで責任逃れや現実逃避をしているのではないか」という周囲からの問は本人に対して説得力を持ちません。

 

優越感の裏側にあるものは、これまで家庭や職場の中で感じてきた「劣等感」です。「なんとか夫(妻)や上司、同僚を見返してやりたい」という感情が潜んでいることがあります。

 

彼らはカルトメンバーでいることによって、周囲の人たちに『勝ちたい』のです。

 

(2)家族が反対することをあらかじめ想定している

 

組織の反社会性を指摘された場合の反論の仕方を練習していたり、ウソのつきかたを教わっていることがあります。

 

元カルトメンバーの証言〜家族の反対に対して

 

Gさん

 

教団の問題点や教義の間違いを指摘されても、教団の中でそういう批判に対する反論を事前に学んでいたので、そういう知識にもとづいて解釈するので自分の頭では考えないんですよね」

 

Hさん

 

話し合いを提案されても、神さまの試練だと思って燃えていました。教団についての指摘については全く耳に入らずシャットダウンでした。

 

マインドコントロールの影響下にあると、「組織にとって都合の悪い事実」から本能的に意識をそらす癖が身に付きます。

 

教義上の矛盾点を指摘したり、組織の悪い評判を話した時に、「それには何か深い理由がある」とか「このまま続けていればいつかわかる」といったふうに問題から目をそらし、その場で考えることを放棄してしまうのです。

 

これは「思考停止のテクニックと呼ばれていています。

 

(3)家族に対して意地を持っている。

 

・いまさら家族には頭をさげられない。

 

・反対している親を見返したい。

 

・親には負けたくない。

 

・親の人生とは違う生き方をしてみたい。

 

しかし、親には自分の活動を認めてもらいたいと思っています。

 

親御さんの価値観や人生観に対して、対抗意識を燃やしていることがあります。

 

彼らからすれば、カルト入信以前はいろいろな部分で反発を感じていても、親御さんに「勝てるもの」はなかったのです。

 

カルトの教学を手にいれた今、親御さんとは対等どころが、「凌駕してしまう力を手にいれた」という思い込みも手に入れたことになります。

 

こうした「自信」にもとづいて、彼らなりの「人生観」とか「価値観」をもって親を乗り越えていこうとする面もあるものです。

 

 

カルトからの脱会のために

 

カルトメンバーの心理を考えるとき、マインドコントロールの影響を抜きにして考えることはできません。

 

コミュニケーションの取り方に配慮が必要なのは確かなのです。

 

だからといって必要以上に身構えてしまったり、怖れてしまったりする必要もありません。

 

マインドコントロールの技術をいかに駆使したとしても、今までの人生で培ってきたモラルとか価値観を完全に書き換えることなどできません。

 

カルト組織のメンバーとして活動している現在でも、「本来の自分」ー両親への愛情、家族と過ごした思い出、倫理観、正義感ーは心の奥底にしっかりと生きているのです。

 

どんなに人格が変容してしまったように見えたとしても、です。

 

そしてカルト宗教からの脱会支援とは、この眠っている「本来の自分」がよく活動するようにはたらきかけていくことなのです。

 

ではどうすればいいのでしょうか?

 

具体的な方法論はカルト宗教メンバーへの脱会説得の手法をご覧になってください。

 

参考ページ

 

マインドコントロール〜そのプロセス

 

マインドコントロール〜事例

 

*元カルトメンバーの証言は以下の文献より引用させていただきました。

 

「カルトからの回復」 櫻井義秀編  北海道大学出版会

 

 

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